壱色ノ匣:ヒトイロノハコ

モノガタリ綴り

うたうたいのモノガタリ;短編

落果

おちたんだ。おちつづけているんだ。 ***** 冷たい指先が、ぼくの頬にそっと触れる。 哀しそうに、微笑んで。なにか云わなきゃ。焦るばかりで。ぼくは。こんなに近くに居るのに。こうして触れているのに。指先ひとつ、動かすことも出来ずに。ただ、うつ…

De Nachtmerrie

幾多もの視線に晒されて。晒されて。曝されて。ああ、じゃあぼくはどんな表情で笑えばいいの。 誰れが味方で誰れが敵?どれが嘘でどれが真実? ぼくが語った言葉はすべて、いつの間にか違う意味を持つ。 こわくてこわくてこわいけれど、 立ち止まるなんてで…