キレイゴトの残骸;短編
眠りたくないんだ。「どうして」 ゆめをみるんだ。「どんな」 眠りたくないんだ。 だってあんなの嘘だから。 おまえがおれをすきだなんて。 おれがおまえをすきだなんて。嘘だ。 泣きたくなる。眼が覚めたときの焦燥消失。 だって、 そのぬくもりが未だここ…
うそつきだ。 世界は終わらなかった。 いつだってそうだ。 あいつを抱きしめて。 くちづける。なんどもなんども。 もういいじゃん。だれもなんにもいわないよ。 だからこうしてつながったままほらもうじきおわるんだってさ。せかいは、 おわるんだよ。 いま…
ナイテイルノカト。 思うんだ。いつも。 静かな横顔。 うつくしいその貌に、時折。 ほんの少しだけ浮かぶ。表情。 泣くのかと。 その表情を見つける度に、 胸が痛くなる。 あのひとは、携帯をただ、みつめている。 ああ、ほら、また、 泣きそうで、 壊れそう…