諦めるとか、
忘れるとか、
どうやったらできるんだっけ。
あの日から毎日を、日常を繰り返してきたくせに、
昨日までと明日からの、
区切り方がわからないんだ。
予定を分刻みで詰め込んで、
楽しいと思い込んで笑って燥いで、
くたくたになって泥の様に眠りに落ちても、
明け方に見る、淡い陽炎みたいな夢の欠片。
曖昧な、形にすらなっていない揺らぐそのカケラが、
頭の片隅にこびりついたまま拭えない。
ふとした瞬間に、
気配を感じて。
空白の刹那に、
過るなにかを、
全身全霊で、気配や色や音やにおいを、
探している。自覚のないまま。
未練。
きっとそうなんだろうでも、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・手を離せば楽になれるんだと、確かにあのときはそう思ったんだ。