壱色ノ匣:ヒトイロノハコ

モノガタリ綴り

【ああ、やっぱり、】1

 

 そうだあなたはぼくのひかりなんだ。
 だから惹かれたのに。
 だから欲しかったのに。
 なのにどうして、
 どうして手放してしまったんだろう。
              知らないままで居られたらよかったのに。
 暗闇の中できっとぼくは、
 声にならない慟哭を、
 届かない焦燥を、
  吐き続けるんだ。真っ赤な花を、真っ白な花を。
 もがきながら悔やみながらいつまで、
 いつまで生きていかなきゃいけないんだろう。