壱色ノ匣:ヒトイロノハコ

モノガタリ綴り

【ああ、やっぱり、】2


 
 しあわせだった。
 だからこわかった。

 永遠じゃないから。
 永遠なんて無いから。

 変わらないものなんてない。
 終わらないものなんてない。

 だからぼくは、
 このしあわせの終わりを見たくなかった知りたくなかった。
 なのにぼくは、
 このしあわせの、永遠を願った永遠を信じたかった。

 きみのあなたのまっすぐなことばに、
 あなたのきみのまっすぐなこころに、

 縋りたかった。

 だけどぼくは、
 ぼくは、ね、

 ぼくは、 
 ・・・・・・疲れちゃったんだよ、
 ぼくは、
 ぼくは、――――――こわいんだよ。いまでも、
 ねぇ、いまでも怖くてたまらない。だから、――――――――――――