壱色ノ匣:ヒトイロノハコ

モノガタリ綴り

【××× 3】

 

 ―――――――――してください。
 鈍色の言葉が霧散する。
 ――――――――――――■■してください。
 墨染の桜が煙る。
 果てない夢の終焉をください。

 ずっと、
             ずっと、       世界の終わりを、待っている。

 おねがい。
 ―――――――――――――――■■してください。
 ずっと、
 おもっていたから。
 おねがい。
 ――――――――――――■■してください。
 ほかになにもいらないから、
 もう、
 もどれなくてもいいから、―――だけどだけどだけど、
 
 蹲り慟哭する己の姿を、もうひとりの自分が酷く冷静に見つめている。口から花が零れる。溢れ出る花にこの身が埋もれていく。
 現実なのか夢なのか、それすらも曖昧な陽炎のようなナニカが揺らぐ。
 ――――――――――――■■してください。
 それは願いで。
 これは望みで、
 あなたを縛る、――――――呪い。