空が青いと思い知ったのは夜衣(よい)が吐いた煙草の煙を眼で追いかけたときだった。
ビルの屋上で吹きっさらしの真冬の澄んだ空を見て、セカイは美しいんだなって、理解した。
白く淡い煙草の煙が、青く鮮やかな空にとけていく。あの日―――そう、あの日あの瞬間まで、ぼくらは―――
ぼくらはふたりきりだった。
ぼくらはひとりきりだった。
ぼくらはふたりで、ひとつだった。
ぼくらのせかいは、ふたりでひとつで、完結していたのに。
空が青いと思い知ったのは夜衣(よい)が吐いた煙草の煙を眼で追いかけたときだった。
ビルの屋上で吹きっさらしの真冬の澄んだ空を見て、セカイは美しいんだなって、理解した。
白く淡い煙草の煙が、青く鮮やかな空にとけていく。あの日―――そう、あの日あの瞬間まで、ぼくらは―――
ぼくらはふたりきりだった。
ぼくらはひとりきりだった。
ぼくらはふたりで、ひとつだった。
ぼくらのせかいは、ふたりでひとつで、完結していたのに。